ギヤ比は、
脚質を語らない
ギヤ比(前後輪の歯数比)は「軽ければ加速しやすく先行向き、重ければトップスピードが出て差し向き」というイメージで語られることがある。今回はこの見方を、脚質(逃・追・両)と決まり手のデータで確認した。
脚質別の平均ギヤ比は3.911〜3.915とほぼ同じ。全体の7割超が同じ「3.92」を使い、使い分けは見られなかった。
- 主要数値
- 脚質別平均ギヤ比 追込型3.911(n=377,329)・先行型3.914(n=213,331)・両型3.915(n=146,965)
- 期間・母数
- 2021-06-22〜2026-08-17・n=737,625(脚質3区分合計)
- 定義
- 男子・7車立て・確定レースの脚質(逃・追・両)別平均ギヤ比、およびギヤ比帯別(軽め3.80以下/中間3.81-3.91/標準3.92以上)の1着率・決まり手率
- 除外
- 軽めギヤ(n=6,568)は母集団全体に対してかなり少数で参考値の域を出ない
- 最終確認日
- 2026-08-17(KEIRINCRAFTデータベースをSQLで再クエリした基準日)
- 限界
- ギヤ比が成績に無関係だと断定するものではない。標準ギヤを使う選手には実力上位・下位が混在しており、選手構成の違いを反映している可能性が高い
まず驚いたのは、ギヤ比がほとんど同じだったこと
7車立て・男子・確定レースでギヤ比の分布を見ると、全体の7割超(71.9%)の選手が「3.92」という値を使っていました。ギヤ比自体、そもそも選手ごとの個性が出にくい指標である可能性があります。
脚質別の平均ギヤ比は、ほぼ同じ
脚質(逃・追・両)ごとに平均ギヤ比を比べても、差はごくわずかでした。
| 脚質 | 平均ギヤ比 | n |
|---|---|---|
| 追込型 | 3.911 | 377,329 |
| 先行型 | 3.914 | 213,331 |
| 両型 | 3.915 | 146,965 |
差はわずか0.004。「先行は軽め、追込は重め」という予想とは違い、脚質によるギヤ比の使い分けはこのデータからは見えませんでした。
ギヤ比帯別の成績も、単純な傾向は出ない
念のため、ギヤ比を3つの帯に分けて1着率・決まり手比率も見てみます。
| ギヤ比帯 | 1着率 | 逃げ決まり手率 | 差し決まり手率 | n |
|---|---|---|---|---|
| 軽め(3.80以下・参考) | 9.53% | 4.25% | 8.15% | 6,568 |
| 中間(3.81-3.91) | 11.57% | 6.44% | 7.93% | 71,940 |
| 標準(3.92以上) | 14.62% | 6.62% | 10.51% | 659,117 |
「軽めギヤの方が先行・逃げに強い」という仮説とは逆に、最も1着率が高いのは標準ギヤ(14.62%)で、軽めギヤは最も低い数字(9.53%)でした。標準ギヤを使う選手が全体の7割超を占め、そこには実力上位の選手も多く含まれるため、「ギヤ比が勝敗を決めている」というより多くの選手が標準ギヤを使っており、そこに強い選手も弱い選手も混在している状態を反映していると考えられます。
ギヤ比は"個性"を測る指標ではなかった。脚質による使い分けもほとんどなく、7割超が同じ値を選ぶ。ギヤ比よりも検証ラボ#21で見た年齢や、脚質そのものの方が、成績との結びつきは強い。
KEIRINCRAFTでは、これをどう使うか
KEIRINCRAFTは、ギヤ比のような選手間の差が出にくい指標よりも、脚質重視度や得点信頼度など、実測で差が確認できた指標をつまみとして重視している。
KEIRINCRAFTでは、そのレースの読みやすさを自信度メーター(テトラ度)で確認できる。TETRA内部の特徴量・重み付け・処理手順は非公開。
集計データはKEIRINCRAFTデータベース(2021年6月22日〜2026年8月17日、SQLで再クエリした実測値)。男子7車立て・確定レースを対象に、脚質別の平均ギヤ比とギヤ比帯別の1着率・決まり手率を集計しました。 数字は過去の傾向であり、将来の結果や的中を保証するものではありません。
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