逃げは本当に、
一番強いのか
競輪には「逃げ」「追込」「両」という三つの脚質がある。先頭を突っ張るのが逃げ、後ろで脚をため差すのが追込、どちらもやれるのが両。「競輪は逃げ有利」——耳にタコができるほど聞くこの言葉を、7車立て72万人分の実データで確かめた。
脚質だけで、1着率は3倍変わる
脚質ごとに、そのまま1着率を並べる。
なぜ逃げが勝つのか。競輪は"主導権"のスポーツだ。先頭でペースを作る者が展開を握り、後続は仕掛けるタイミングを相手に合わせるしかない。だから先行できる脚が、そのまま勝率になる。
ただし逃げは"諸刃の剣"
着順の分布まで開くと、逃げのもう一つの顔が見える。
| 脚質 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 | 着外(4着↓) |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 24.3% | 40.5% | 52.4% | 47.6% |
| 両 | 15.2% | 29.3% | 42.9% | 57.1% |
| 追込 | 8.7% | 22.3% | 38.6% | 61.4% |
逃げは1着24.3%と最も勝つが、着外(4着以下)も47.6%=ほぼ半分は沈む。突っ張って捕まれば、一気に後ろまで流れる。逃げは「決まれば頭、決まらねば惨敗」のハイリスク・ハイリターン——頭で買うなら本命だが、堅く獲る相手ではない。
「追込は堅い」は、神話だった
ここで多くのファンが引っかかる。「番手(追込)は堅く2着に来る」——だが表をもう一度見てほしい。追込は1着8.7%だけでなく、2連対も3連対も逃げ・両に全部負けている。しかも着外61.4%。生の脚質としての追込は、堅いどころか一番勝てず、一番沈む。
では「番手は美味しい」という定説は嘘か。いや、正確にはこうだ——美味しいのは「強い逃げの、すぐ後ろ」に付けた番手だけ。検証ラボ #07で見たとおり、強いラインの番手は連対率が跳ね上がる。脚質だけで追込を買うと沈み、ライン位置と噛み合って初めて活きる。脚質は単体では罠、掛け合わせて武器になる。
強い選手でも、脚質で倍近く差がつく
「結局、逃げるのは強い選手だから勝つのでは?」——最後にこの疑いを潰す。各レースで競走得点が最も高い選手(=地力No.1)だけを取り出し、その選手の脚質で1着率を比べた。
| 得点1位の選手 | 1着率 |
|---|---|
| 逃げ | 51.0% |
| 両 | 37.2% |
| 追込 | 28.2% |
同じ"レース最強"でも、先頭を取れば51.0%、後ろで差す構えなら28.2%——脚質だけで1着率が23ポイントも動く。実力が同じなら、主導権を握る者が倍近く勝つ。脚質は「弱い選手が逃げて上振れ」ではなく、実力とは別の、独立した強さの軸だった。
出走表の読み方。まず「誰が逃げるか」を見る。先行争いを制しそうな選手が、そのレースの主導権を握る本命。そしてそのすぐ後ろに付ける番手が、堅い相手。逆に、強い逃げに繋がらない単発の追込は、点数が高くても評価を下げる——それが72万人分が教える脚質の使い方だ。
KEIRINCRAFTでは、これをどう使うか
だからKEIRINCRAFTは「脚質」を最重要級のつまみに据えている。同じ競走得点でも逃げをどう評価するか、単発の追込をどう扱うかを、あなたが自分の判断で調整できる。さらに脚質だけで完結させず、ライン位置(#07)とB数(#05)を組み合わせて、「強い逃げ」と「その本物の番手」を自分の目で選り分けられる。一つの数字に頼らないから、人気だけの"見せかけの堅さ"に乗らずに済む。
KEIRINCRAFTでは、脚質・ライン位置・B数を組み合わせて評価できるつまみを用意している。「逃げの本命」「番手の相手」「消しの追込」を、あなたが最終的に指先で微調整して決められる。TETRA内部の特徴量・重み付け・処理手順は非公開。
集計データはKEIRINCRAFTデータベース(2021年〜の全レース実績)。ガールズ競輪を除く男子7車立て・確定レースを対象に、出走表の脚質(逃げ/追込/両)ごとに着順を集計しました。数字は過去の傾向であり、将来の結果や的中を保証するものではありません。
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