番手は本当に
"おいしい"のか
競輪を覚えると必ず聞く格言がある。「番手を買え」。ラインの2番手は、前の選手が風を切ってくれる特等席だから有利——。本当だろうか。KEIRINCRAFTのライン解析データで、各選手が隊列のどこにいたかと着順を突き合わせてみた。
1着率だけ見ると、実は先頭が上
各選手のライン内位置(先頭・番手・三番手…)ごとに1着率を並べる。すると、意外にも先頭が番手を上回る。
だが、"連対の確実性"で見ると景色が変わる
1着でなく、2着以内・3着以内まで広げてみる。すると先頭と番手の差がほぼ消える。
| ライン位置 | 1着率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|
| 先頭 | 21.6% | 37.1% | 49.2% |
| 番手 | 14.9% | 33.0% | 46.9% |
| 三番手 | 2.6% | 10.7% | 32.5% |
| 四番手以降 | 1.1% | 4.7% | 15.6% |
| 単騎 | 6.8% | 14.2% | 25.7% |
3連対率は先頭49.2%に対し、番手46.9%——ほぼ互角。番手は「頭は取りにくいが、上位には確実に来る」ポジションなのだ。
番手の格言は、半分正しい。正しくは「番手は勝率で有利」ではなく「連対の確実性で有利」。前の選手が風よけになり脚を温存でき、三番手以降への転落も避けられる。だから車券の2・3着候補として堅い。逆に、三番手以降は1着率2.6%→1.1%と崖のように落ちる。番手までが"ライン"で、その後ろは別世界だ。
番手を"頭で買う"見極め — 10点ルール
では番手が1着まで突き抜けるのはどんな時か。カギは先頭と番手の競走得点差。同じラインの先頭・番手の得点を比べ、番手の1着率を並べるとこうなる。
| 先頭 − 番手 の得点差 | 番手1着率 | 番手3連対率 |
|---|---|---|
| 先頭が10点以上 強い | 5.7% | 33.3% |
| 先頭がやや上 | 11.2% | 42.9% |
| 番手がやや上 | 18.5% | 50.1% |
| 番手が10点以上 強い | 28.0% | 60.7% |
番手が先頭より10点以上強いと、番手1着率は28.0%まで跳ね上がる。前を利用しつつ自分の地力で差し切れるからだ。逆に先頭が10点以上強ければ、番手は前を助ける"ただの後ろ"で5.7%に沈む。番手は「誰の後ろか」より「前とどっちが強いか」で買う。
「番手」という位置のラベルより、実際の得点差の方が効く——同じ構図は#10で見た「級班は本当に強さを表すか」にも通じる。ラベルより、その中身の数字を見るほうが近道になる。
KEIRINCRAFTでは、これをどう使うか
KEIRINCRAFTには「番手評価」と「ライン位置」のつまみがあり、それぞれ画面上で調整できます。この記事の得点差と番手成績の集計は、調整時の参考としてご覧ください。
KEIRINCRAFTの自信度メーター(テトラ度)で、そのレースが堅いか荒れやすいかも確認できます。TETRA内部の特徴量・重み付け・処理手順は非公開です。
集計データはKEIRINCRAFTデータベース(2021年〜の全レース実績)。ガールズ競輪を除く男子7車立て・並び(ライン)が取得できた確定レースを対象に集計しました。数字は過去の傾向であり、将来の結果や的中を保証するものではありません。
KEIRINCRAFTは予想・分析専用アプリです。車券購入機能はありません。車券の購入は20歳から、投票は自己責任でお願いします。