みなし直線とは、競輪バンクの最終コーナーの立ち上がりからゴールまでの直線区間の長さの目安のことで、会場ごとに大きく異なる。
競輪場の紹介ページには当たり前のように出てくる「みなし直線」という数字だが、それが具体的に何を指し、会場によってどれくらい違うのかを説明した文章は少ない。KEIRINCRAFTの会場表(40場)を使って、みなし直線の意味と会場ごとの違いを確認した。
みなし直線とは、競輪バンクの最終コーナーの立ち上がりからゴールまでの直線距離の目安のこと。KEIRINCRAFT掲載40場(2026年7月4日時点)では36.1m(小田原)〜66.7m(大宮)まで開きがあり、直線が長い会場ほど差し決着の割合が高い傾向がある。
- 主要数値
- みなし直線は40場で36.1m〜66.7m(レンジ30.6m)・中央値56.2m・単純平均54.1m。直線の長さで3群に分けレース数で加重平均すると、逃げの割合は短い群28.4%→長い群23.3%、差しの割合は短い群42.5%→長い群50.2%
- 期間・母数
- KEIRINCRAFT会場表(2026年7月4日時点集計)・掲載40競輪場・対象は男子・結果確定レース(出走車数は問わない)・races合計121,337件
- 定義
- KEIRIN.JP公式資料にもとづく一般的な説明(最終4コーナーの立ち上がりからゴールまでの直線距離の目安)。KEIRINCRAFT会場表のstraight_m列に対応する
- 出典
- KEIRINCRAFT会場表(VENUESテーブル、KEIRINCRAFTデータベース由来)・KEIRIN.JPバンク資料(下記「出典・検証方法」を参照)
- 最終確認日
- 2026-09-06(会場表を再集計した確認日。会場表自体の集計基準日は2026-07-04)
- 限界
- 本ページの母数(男子・結果確定レース、出走車数不問)は、検証ラボ#28「決まり手とは」・#03「バンクで決まり手は変わるか」の母数(男子・7車立て・確定レース)と異なる可能性が高く(未確認)、両者の数値を単純比較することはできない
みなし直線とは何か
競輪のバンク(走路)を語るとき、「周長」と並んでよく出てくるのが「みなし直線」という言葉だ。みなし直線とは、最終4コーナーの立ち上がりからゴールまでの直線距離の目安を指す。KEIRIN.JP公式資料では、走路の曲線中心などを基準に算出する距離と説明されている。同じ周長のバンクでも、コーナーの形状や設計によってこの直線部分の長さは変わる。
KEIRINCRAFTの会場表では、この値をstraight_m列としてバンクごとに記録している。以下では、この会場表(40場・2026年7月4日時点の集計)を使って、みなし直線が会場によってどれくらい違うのか、そしてその長さが決まり手にどう関係しているのかを確認する。
みなし直線はどのくらい違うのか
KEIRINCRAFTに掲載する40競輪場のみなし直線を、周長別・会場別に並べて比較した。
| 区分 | 会場数 | 最小 | 最大 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 全40場 | 40 | 36.1m | 66.7m | 54.1m |
| 周長333m系 | 6 | 36.1m | 46.6m | 40.7m |
| 周長335m | 1 | 46.7m | 46.7m | 46.7m |
| 周長400m | 30 | 40.2m | 64.4m | 56.4m |
| 周長500m | 3 | 52.0m | 66.7m | 60.7m |
周長が長いほどみなし直線の平均も長くなる傾向はあるが、後述のとおり同じ周長の中でも差が大きい。335mは前橋の1場のみのため、この行は平均というより単独の実測値である点に注意。全40場の中央値は56.2m(単純平均54.1mよりやや長め)だった。
直線が長い会場トップ5
| 順位 | 会場 | 周長 | みなし直線 |
|---|---|---|---|
| 1 | 大宮 | 500m | 66.7m |
| 2 | 武雄 | 400m | 64.4m |
| 3 | 宇都宮 | 500m | 63.3m |
| 4 | 弥彦 | 400m | 63.1m |
| 5 | いわき平 | 400m | 62.7m |
直線が短い会場トップ5
| 順位 | 会場 | 周長 | みなし直線 |
|---|---|---|---|
| 1 | 小田原 | 333m | 36.1m |
| 2 | 奈良 | 333m | 38.0m |
| 3 | 松戸 | 333m | 38.2m |
| 4 | 佐世保 | 400m | 40.2m |
| 5 | 防府 | 333m | 42.5m |
同じ400mバンクでも直線は違うのか
周長400mの30場だけを見ても、みなし直線は最短の佐世保40.2mから最長の武雄64.4mまで24.2mの差がある。この差は、333m系の会場の中で最も長い伊東46.6mを上回るほど大きい。逆に、佐世保40.2mは伊東46.6mより6.4m短く、周長333m系の会場より、周長400mの会場の方が直線が短いケースすら存在する。つまり、周長だけでみなし直線の長さは決まらない。
みなし直線が長いと決まり手はどう変わるのか
KEIRINCRAFT会場表の1着決まり手の比率(男子・結果確定レース)を、みなし直線の長さで3つのグループ(それぞれ会場数がほぼ均等になるよう分割)に分け、会場ごとのレース数で加重平均した。
| 群 | 直線の範囲 | 会場数 | races計 | 逃げ | 捲り | 差し |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 短い群 | 36.1〜51.5m | 13 | 39,555 | 28.4% | 29.1% | 42.5% |
| 中間群 | 52.0〜58.6m | 14 | 42,404 | 24.2% | 27.8% | 48.0% |
| 長い群 | 58.8〜66.7m | 13 | 39,378 | 23.3% | 26.5% | 50.2% |
直線が短い群ほど逃げの割合が高く、直線が長い群ほど差しの割合が高い、という単調な傾向が見られた。ただし、これは相関であり、因果関係を示すものではない。みなし直線が長い会場は周長も長い傾向があるため(前掲の周長別平均を参照)、直線そのものの効果なのか、周長を含むバンク全体の効果なのかは、この集計だけでは切り分けられない。
分からないこと
- みなし直線の正式な算出基準(JKA公式ルールブックの原文)は未確認。本記事の定義文はKEIRIN.JP公式資料にもとづく一般的な説明にとどめている。
- 本ページの母数(男子・結果確定レース)が出走車数を問わないのか、7車立てなどに絞られているのかは会場表に明記が無く未確認。会場表のraces合計(121,337件)が、別途VPS DBで確認した「男子・7車立て・確定レース」限定の同種集計(2026-09-05時点で101,561件)より約2万件多いため、7車立てに限定されていない可能性が高いと考えている(詳しくは下記「出典・検証方法」参照)。
- みなし直線の集計がいつからいつまでのレースを対象にしたものか(収録開始日)は、会場表自体には明記が無く未確認。
- 3群分けは相関の確認にとどまり、周長との交絡(直線が長い会場ほど周長も長い傾向がある)を分離した分析ではないため、直線の長さそのものが決まり手を変えているかどうかは分からない。
出典・検証方法
数値の一次ソースは、KEIRINCRAFTサイト生成用スクリプトに埋め込まれた会場表(VENUESテーブル、周長・みなし直線・脚質傾向・都道府県・races数・決まり手比率の10項目×40会場)。KEIRINCRAFTデータベース(VPS PostgreSQL、keirincraft)を2026年7月4日時点で集計したスナップショットで、本ページの数値はこの40行の表をPythonで再集計したもの(本ページ作成にあたって新規のSQLクエリは行っていない)。
# VENUES = 会場表(40件・各行は周長/みなし直線/決まり手比率などのタプル)
straights = [v[3] for v in VENUES] # v[3] = straight_m(みなし直線)列
min(straights), max(straights) # -> 36.1, 66.7
statistics.median(straights) # -> 56.2
sum(straights) / len(straights) # -> 54.09 (単純平均)
# 周長別グループ集計・直線の長さでの3群分け(会場数で等分)も同様にPythonで集計母数の定義を確認する過程で、既存の検証作業(addendum_6q/sql/Q5_bank_length_kimarite_20260905.sql、VPS keirincraft DBへの読み取りSELECTのみ、2026-09-05実行)で「男子・7車立て・確定レース」の周長帯別件数(333m台17,874件・400m76,082件・500m7,605件、合計101,561件)が確認済みであることを見つけた。この合計は、本ページの会場表のraces合計(121,337件)より少ない。会場表の方が2026-07-04時点(より古い基準日)であるにもかかわらず件数が多いことから、本ページの母数は7車立てに限定されていない(男子・結果確定レース全体を対象にしている)可能性が高いと判断した。この点はVPS DBへの追加クエリで確定させていないため、上記「分からないこと」に明記している。
よくある質問
みなし直線とは、競輪バンクの最終4コーナーの立ち上がりからゴールまでの直線距離の目安のことです。KEIRIN.JP公式資料では、走路の曲線中心などを基準に算出する距離と説明されています。
KEIRINCRAFT会場表(40場・2026年7月4日時点)では、最短が小田原(周長333m系)の36.1m、最長が大宮(周長500m)の66.7mで、レンジは30.6mです。中央値は56.2mでした。
会場表の1着決まり手の比率をみなし直線の長さで3群に分け、レース数で加重平均すると、直線が短い群ほど逃げの割合が高く(28.4%)、直線が長い群ほど差しの割合が高くなる(50.2%)傾向がありました。ただしこれは相関であり、周長との交絡もあるため、直線の長さだけが原因とは言い切れません。
集計データはKEIRINCRAFT会場表(gen_keirin_venues.pyのVENUESテーブル、2026年7月4日時点のKEIRINCRAFTデータベース集計、対象は男子・結果確定レース)を独自に再集計したものです。会場表の母数が出走車数を問わないのか7車立てなどに絞られているのかは明記が無く未確認のため、検証ラボ#28「決まり手とは」・#03「バンクで決まり手は変わるか」(いずれも男子・7車立て・確定レース)の数値と単純に比較することはできません。数字は過去の傾向であり、将来の結果や的中を保証するものではありません。
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