各会場が保有する約 60 〜 70 基のモーター群の中で、勝率や 2 連率が際立って高いものをエース機、 極端に低いものを駄馬機 (だばき) と呼ぶ。 モーターは前検日の抽選で割り当てられるため、エースを引き当てた選手は予想で大きく評価される。
競艇では選手は自身のエンジン (ボートのモーター) を持ち込まず、各会場が保有する共有モーターから前検日 (節初日の前日) の抽選で 1 基を割り当てられます。 会場が保有するモーターはおおむね 60 〜 70 基。 長期間使用される中で、整備のしやすさ・部品の当たり外れ・選手との相性などにより、勝率に大きな個体差が生まれます。
その中で2 連率が会場平均を大きく上回るモーターを「エース機」と呼び、ファンや専門紙が注目する対象となります。 逆に、整備をしても勝率が伸びない、いわゆる「ハズレ」と呼ばれるモーターを「駄馬機」と呼びます。 モーターは概ね 1 年に 1 度、5 月頃に一斉交換されるため、エース・駄馬の顔ぶれは年単位で入れ替わります。
モーターの割り当ては前検日に行われる公開抽選で決定します。 選手は抽選結果を覆せず、いかにエースを引き当てるかが運の要素として競艇に内在しています。
エース・駄馬は感覚的に語られることが多いですが、実際には数値で識別できます。 代表的な判断材料を整理します。
| エース機 | 駄馬機 | |
|---|---|---|
| モーター 2 連率 | 45% 以上 (会場平均 30 〜 35% を大きく上回る) | 20% 以下 (整備で持ち直すのが難しい水準) |
| 勝率 | 会場上位5 〜 10 番手以内 | 会場下位 5 〜 10 番手 |
| 前節までの実績 | 連続で優出 / 優勝を出している | 連続して着外・予選敗退が続く |
| 展示タイム | 会場上位、伸び・出足ともに鋭い | 展示でも頭打ち感が強い |
| 選手の動き | 整備で大幅変更を行わない (現状維持) | 選手が懸命に部品交換 → それでも改善せず |
モーターは抽選で決まりますが、選手は自身の整備技術で性能を引き上げることができます。 これを「モーター仕上げ」と呼び、整備力に定評のある選手は駄馬を中堅に、中堅をエースに育てることもあります。
整備の主な手段はピストン・キャブレター・ギアケース・プロペラの調整。 部品交換も可能ですが、節中の大幅な部品交換 (パーツ交換) は時間がかかり、その節に間に合わないリスクもあります。 整備で改善するかは選手の腕に依存するため、「整備の名手」と呼ばれる選手 (今村豊・西山貴浩など歴代の整備派) はモーター抽選で不利を引いてもなんとか戦える、と評価されてきました。
逆に注意したいのは、「エース機 = 必勝」ではないこと。 モーター 2 連率はそのモーターを過去に使った選手たちの平均成績であり、引いた選手の腕・スタート・コース取りが伴わなければエースの性能を引き出せません。 予想ではモーター単独ではなく選手 × モーター × コースの組み合わせで評価する必要があります。
BOATCRAFT はモーター 2 連率を機力評価の主要特徴量として組み込み、エース機・駄馬機の影響を予想に反映します。 ただし生の 2 連率ではなく、会場平均からの偏差と直近の調子を分けて取り扱う設計です。
モーター偏差スコア ─ そのモーターの 2 連率が会場平均から何 % 上か下かを算出。エース機 (+10 pp 以上) は加点、駄馬機 (-10 pp 以下) は減点。
節間モーター成績 ─ 今節そのモーターを使った直近 3 走の着順を確認。エース機表示でも今節成績が振るわなければ、信頼度を一段下げます。
「機力つまみ」連動 ─ ユーザーがアプリで機力つまみを上げると、エース機の評価重みがさらに増します。整備力上位の選手が引いたエース機を厚く見たい時に有効。
選手の整備力との掛け合わせ ─ 整備で機力を引き上げる傾向のある選手 (過去にモーター 2 連率を会場平均より底上げした実績がある選手) は、駄馬を引いても評価減点を緩和します。
エース機・駄馬機の概念はモーター評価の入口に過ぎません。 100 を超える専門用語を 12 カテゴリで整理した用語集で、競艇予想の解像度を上げてみてください。