進入抽選で外枠を引いた選手が、ピット離れ後の位置取りで内コースを奪いに行く戦術。1 コース勝率が高い競艇の構造を逆手に取った進入駆け引きで、隊形を 4 対 2 / 5 対 1 へと変える主因。
前づけとは、進入抽選で外枠 (3 〜 6 号艇) を引いた選手が、ピット離れからスタートラインに至るまでの間に、自分より内側の艇を押し下げて内コース (主に 1 〜 2 コース) を奪う戦術です。 競艇は 1 コース勝率が約 55% と圧倒的に高く、内コースを取ること自体が大きなアドバンテージになります。 前づけはその構造を逆手に取った、進入駆け引きの中核となる動きです。
前づけが成立すると、押し下げられた元の内枠の艇は外回り (本来より外側のコース) に追いやられ、コース勝率が大きく下がります。 その結果、本来は 1 コース勝率 55% の母集団に乗っていた 1 号艇が、3〜4 コース勝率 (10% 前後) の領域に飛ばされるという、レース構造の根本的な書き換えが起こります。
前づけ党と呼ばれる選手は、進入駆け引きを得意とするベテラン勢に多く、戸田・浜名湖・住之江など前づけ伝統のある会場では現代でも観測されます。 予想の現場では、出走表の選手プロフィールから「前づけ意思の有無」を読み取ることが、レース性質の判定に直結します。
前づけは「やろうと思えば誰でもできる」戦術ではありません。 ピット離れ後の10 〜 15 秒間の位置取り勝負で、複数の条件が揃った時にだけ成立します。
前づけにはいくつかの典型パターンがあります。 誰がどこから何コースを奪うかで、レース後の隊形と決まり手の方向性が大きく変わります。
前づけが成立すると、レース全体の予想前提が根本から書き換わります。 コース別データはほぼ枠なり前提で集計されているため、前づけが起こった瞬間にそれらの数字は使えなくなります。
| 枠なり (標準) | 前づけ進入 | |
|---|---|---|
| 並び方 | 枠番どおり | 外枠の艇が内コースに切り込み |
| 1 号艇のコース | 1 コース (有利) | 2 〜 4 コースに押し下げ (不利) |
| 1 コース勝率の有効性 | そのまま使える | 原則無効 (前づけ艇に置き換え) |
| 予想の難易度 | 低 〜 中 | 高 (隊形読み必須) |
| 配当傾向 | 本命〜中穴中心 | 中穴〜高配当に振れやすい |
| 発生頻度 (現代) | 全レースの 8 〜 9 割 | 残り 1 〜 2 割 |
BOATCRAFT は予想本体の前段で、進入確率推定を行います。 過去 27 年分の同一会場・同一選手組合せにおける前づけ実績から、「このレースで前づけが発生する確率」と「発生時の予想隊形」を推定し、本体モデルにそれぞれ重みづけして反映します。
「進入つまみ」を上げる ─ 前づけ党を多く含むレースで、前づけ確率を強く反映。1 号艇 B 級 + 外枠 A 級ベテランという編成で特に効果が出やすい。
「コース力つまみ」を下げる ─ 前づけ予想時は1 コース勝率を強くは効かせない。代わりに前づけ艇のコース勝率に置き換えて評価する。
「会場特性つまみ」を上げる ─ 戸田・浜名湖・住之江など前づけ伝統会場では、会場特性モデルが過去の前づけ頻度を学習しており、自動的に重みが高まる。
前づけは競艇予想を一段難しくするイベントです。100 を超える専門用語を 12 カテゴリで整理した用語集で、競艇予想の解像度を上げてみてください。