ピット (待機場所) から発走して、スタートラインに向かう瞬間の最初の 10 〜 15 秒間。スタート隊形・前づけの成否を決定する進入の起点で、ここでの一歩が 1 マークまでの全てを規定する。
ピット離れとは、各艇がピット (待機場所) からエンジン全開で発走し、スタートラインに向かって走り出す最初の動きを指します。 ピットはコースの一角に設置された待機エリアで、6 艇がここから一斉に発走することで進入が始まります。
ピット離れの速さは、その後の位置取りに直結します。 ピットから速く出られた選手は、自分の希望するコースを取りに行く主導権を持てます。 逆に遅れると、内コースを狙うどころか、自分の枠番のコースすら確保できないリスクが生まれます。
ピット離れに必要な要素は、モーターの出足、選手のクラッチワーク、ピット位置との相性の 3 つ。 モーターの初速が悪いと、いくら選手が踏み込んでも前に出られず、進入で押し負けます。 ファンの目には地味なシーンですが、ここでの0.5 秒の差が 1 マークの主導権を決めると言っても過言ではありません。
ピット離れは一瞬の動きに見えますが、内部では明確に3 つの局面に分解できます。 予想時に展示走行を見るとき、この 3 局面に分けて観察すると、各艇の進入意図が読み取れます。
ピット離れの速さは選手の腕だけで決まるものではありません。 4 つの要因が複合的に作用します。
ピット離れの結果が、進入の駆け引きを規定します。 速いピット離れと遅いピット離れで、その後のレース展開は別物になります。
| 速いピット離れ | 遅いピット離れ | |
|---|---|---|
| 主導権 | 自艇が主導 ─ 希望コース取り可能 | 他艇に主導権を奪われる |
| 前づけの可否 | 前づけを仕掛けやすい | 前づけを諦めるしかない |
| 守りの観点 | 内枠艇は自コースを守れる | 内枠艇は外回りに飛ばされる危険 |
| スタートへの影響 | 助走距離を計算どおりに取れる | 助走距離不足で ST が重くなる |
| モーター気配 | 出足型の選手に有利 | 出足型でも踏み切れない場合あり |
BOATCRAFT は、ピット離れそのものを直接の特徴量として扱うことは難しいものの、その結果として現れる進入を会場特性モデル + モーター評価モデルで間接的に取り込んでいます。 過去の同一会場・同一モーター・同一選手の組合せから、ピット離れの優位を推定する設計です。
「機力つまみ」を上げる ─ モーター 2 連率 / 出足型を重く見る設定。ピット離れで前に出やすい選手の評価が引き上がる。
「進入つまみ」を上げる ─ 前づけ党を多く含むレースで、ピット離れの速さがそのまま隊形変化の確率に反映される。
「会場特性つまみ」を上げる ─ ピット位置と枠番の相性が大きい会場 (戸田・住之江など) で、会場特性モデルの重みを引き上げる。
ピット離れは進入の第一歩です。100 を超える専門用語を 12 カテゴリで整理した用語集で、競艇予想の解像度を上げてみてください。