— この記事の要点 —

3 連単 97.6 万レースの払戻データを集計した結論:万舟は「頭(1 着)が何号艇か」でほぼ決まる。1 号艇頭は平均 3,502 円(万舟率 6.5%)、6 号艇頭は平均 16,710 円(万舟率 38.9%)と、頭が外に行くほど配当はきれいに跳ね上がる(単調増加)。出目別の "万舟製造機" トップは 6-5-4(平均 21,050 円・万舟率 50.5%)で、上位は 6-5 系・5-6 系がほぼ独占。一方で最頻出の 1-2-3(4.3 万回)は平均 1,792 円でトリガミ(払戻 < 賭け金)の常連。さらに「1 号艇が逃げても 2 着が外なら荒れる」── 1-6-x は万舟率 19.3%。全体では平均 7,596 円・中央値 3,200 円・万舟率 18.9%。歴代最高は児島の 6-1-5=761,840 円

そもそも「万舟」とは ─ 5 レースに 1 回弱は出ている

万舟(まんしゅう)とは、3 連単の払戻金が 1 万円以上になったレースのこと。100 円が 1 万円になる、つまり 100 倍以上の高配当決着を指す競艇ファンの俗語だ。さらに高額配当は金額に応じて 「2 万舟(にまんしゅう)」「5 万舟」「10 万舟(じゅうまんしゅう)」のように "○万舟" と呼ぶのが通り相場で、特に 10 万円を超える特大配当を「超万舟」と呼ぶこともある(明確な定義はなく体感ベース)。10 万舟は全体の 約 0.4%(およそ 240 レースに 1 回)と、出れば伝説級だ。

「万舟なんてめったに出ない」と思われがちだが、データで見ると意外と身近だ。3 連単 97.6 万レースのうち、万舟(1 万円以上)になったのは 18.9% ──およそ 5 レースに 1 回弱は万舟が飛んでいる計算になる。

平均 7,596 円 > 中央値 3,200 円。
この「平均 > 中央値」のねじれこそ、万舟という"裾の長い当たり"が生む競艇の魅力であり、罠でもある。

検証方法

  1. 期間:2001-06-16 〜 2026-05-31(3 連単の払戻記録がある全期間)
  2. 対象:3 連単(3 連単 = 1・2・3 着を着順通りに当てる賭式)の確定払戻 975,653 レース
  3. 除外:返還・不成立などで出目が「1-2-3」形式(1〜6 号艇の 3 連単)にならないレコードは除外
  4. 集計:出目(1 着-2 着-3 着の艇番組合せ、全 120 通り)ごとに、出現回数・平均払戻・万舟率(1 万円以上の割合)・超万舟率(10 万円以上)を算出

ポイントは、これが 「予想が当たった人の配当」ではなく「実際に出た決着の配当」だという点。つまり "結果としてその出目がどれくらいの配当を生んだか" を、四半世紀分・約 98 万レースで丸ごと集計している。

結論①:万舟は「頭(1 着)が外」で生まれる

まず最も重要な発見から。1 着がどの艇かで、配当はほぼ決まる。出目を「1 着の艇番」で束ねて平均配当・万舟率を出すと、これ以上ないほどきれいな 単調増加が現れた。

1 着(頭)レース数平均配当万舟率
(≥1万)
超万舟率
(≥10万)
最高配当
1 号艇388,9803,502 円6.5%0.02%331,800
2 号艇170,0167,501 円19.2%0.31%537,990
3 号艇144,6448,716 円23.7%0.34%447,060
4 号艇125,80110,018 円28.2%0.39%682,760
5 号艇82,94314,412 円38.3%1.26%534,930
6 号艇63,26616,710 円38.9%2.33%761,840

読み取れることは多い:

万舟を取りたいなら、考えるべきは「2 着・3 着」より先に 「頭を誰にするか」
頭が外(5・6 号艇)に飛んだ瞬間、配当は別世界になる。

結論②:万舟製造機ランキング ─ 6-5 系の独占

では、120 通りの出目のうち 「平均配当が高い=万舟になりやすい出目」はどれか。出現 500 回以上に絞った平均配当ランキングがこれ。

順位出目出現平均配当万舟率
16-5-32,12921,884 円46.3%
26-5-42,10921,050 円50.5%
36-5-22,41220,836 円46.4%
46-4-32,62920,233 円44.8%
56-5-12,73919,871 円45.6%
66-2-52,83719,388 円42.1%
76-3-52,48719,051 円42.3%
86-4-52,42818,840 円45.8%
95-6-42,77418,822 円47.4%
106-3-42,81518,379 円39.9%
115-4-33,18218,296 円47.9%
126-4-22,88518,001 円41.5%

ちなみに、この 25 年で出た 歴代最高配当は児島の「6-1-5」= 761,840 円(2022 年)。1 点 100 円が 76 万円になった計算だ。続く 2 位は徳山「4-5-2」= 682,760 円、3 位は三国「6-3-5」= 650,610 円と、上位はやはり「頭が外」のオンパレードになっている。

堅い出目ランキング ─ 最頻出 1-2-3 は平均 1,792 円

逆に「よく出るが安い出目」も見ておこう。出現回数トップ 12 は、見事に すべて 1 号艇か 2 号艇が頭だ。

順位出目出現回数平均配当万舟率
11-2-342,6521,792 円1.1%
21-2-433,8442,090 円2.0%
31-3-232,7592,344 円2.3%
41-3-428,4222,343 円2.8%
51-2-525,1852,825 円4.0%
61-4-225,0812,826 円4.0%
71-3-521,6852,919 円4.3%
81-4-321,4983,111 円4.4%
91-2-620,7633,487 円5.9%
102-1-319,0233,945 円6.7%
111-3-617,4433,776 円7.3%
122-1-416,9334,467 円9.2%

「1 号艇が逃げても荒れる」── 2 着・3 着の外流し

「頭が外なら荒れる」は分かった。では 1 号艇が逃げ切った(=頭は堅い)レースの中では、配当はどう動くのか。1 号艇頭のレースを「2 着の艇番」で分けるとこうなる。

出目レース数平均配当万舟率
1-2-x122,4442,374 円2.7%
1-3-x100,3092,717 円3.7%
1-4-x76,5643,398 円5.7%
1-5-x51,0135,271 円12.3%
1-6-x38,6506,987 円19.3%

頭が同じ 1 号艇でも、2 着が外に動くだけで配当は 3 倍近くになる。1-2-x(平均 2,374 円・万舟率 2.7%)に対し、1-6-x は 平均 6,987 円・万舟率 19.3%。「1 号艇は強いが、2・3 着は荒れそう」というレースこそ、イン頭から 2・3 着を外(5・6 号艇)に流すのが中波乱を取る現実的な狙い目になる。

万舟を取りに行く現実的な戦略

以上のデータから、万舟(高配当)を狙うときの考え方を整理する。あくまで配当構造の話で、当たりやすさを保証するものではない点は最初に強調しておく。

  1. 本命党なら「1-2-3 系」── ただし点数を絞る:平均 1,792〜3,000 円台なので、3 連単を広く買うとトリガミ。頭・2 着を厚く、3 着だけ流すなど点数管理が前提
  2. 中波乱狙いなら「1 号艇頭 × 2・3 着を外流し」:1-5-x / 1-6-x は万舟率 12〜19%。イン逃げの堅さを取りつつ、2・3 着で配当を膨らませる現実的な折衷案
  3. 万舟一発狙いなら「頭を 5・6 号艇に置く」:6 号艇頭は万舟率 38.9%。ただし 6 号艇が頭になること自体が約 6.5%(63,266 / 97.6 万)の低確率。展示・スタート・選手・会場のクセで「外が出そうなレース」を絞り込めるかが勝負
  4. 会場選びも効く:そもそも荒れやすい会場(外有利・荒れ水面)では頭が外に飛ぶ確率自体が高い。万舟が出やすい競艇場 TOP 5 も合わせて読むと、「どの会場で・どの出目を狙うか」が立体的になる
— 大前提:期待値はマイナス —
3 連単の控除率は約 25%。どの出目を狙っても、長期的な期待値はマイナスから始まる。本記事は「どの出目がどれくらいの配当を生むか」という構造の解説であって、「この出目を買えば儲かる」という攻略法ではない。舟券は余裕資金の範囲で、娯楽として楽しむもの。

結論

  1. 万舟は「頭が外」で生まれる ─ 1 号艇頭 3,502 円 → 6 号艇頭 16,710 円。例外のない単調増加で、配当の 8 割は「1 着が誰か」で説明できる。
  2. 万舟製造機トップは 6-5-4(万舟率 50.5%) ─ 上位は 6-5 系・5-6 系が独占。1〜4 号艇頭の出目は平均配当ランキングに 1 つも入らない。
  3. 最頻出 1-2-3 は平均 1,792 円 ─ 全体の 4.4% を占めるが、万舟率 1.1% でトリガミ常連。「よく出る出目」と「儲かる出目」は正反対。
  4. 1 号艇頭でも 2・3 着の外流しで荒れる ─ 1-6-x は万舟率 19.3%。中波乱は「イン頭 × 外流し」で取りに行ける。
  5. 歴代最高は児島 6-1-5 = 761,840 円 ─ 25 年・98 万レースの頂点もやはり「6 頭」だった。
「どの出目が当たるか」は誰にも分からない。
だが「どの出目がいくら付くか」は、98 万レースが教えてくれる。

データに関する注記

検証データ:2001-06-16 〜 2026-05-31、3 連単 975,653 レースの確定払戻(BOATCRAFT データベース、全国 24 会場)/ 集計指標:出目別の出現回数・平均払戻・万舟率(1 万円以上)・超万舟率(10 万円以上)/ 最終更新:2026-05-31

万舟は運じゃない出目の構造だ

「頭が外に飛ぶほど荒れる」── データが示すのは、万舟が確率と配当の構造から生まれるという事実。BOATCRAFT は 選手 × コース × モーター × 展示 × 風速 × 会場のクセ を統合した予測モデルで、各出目の確率分布を毎レース計算。本命の堅いレースも、外が突き抜ける波乱含みのレースも、23 つまみ で「本命重視 / 穴重視」のバランスを自分用にチューニングできる。

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