— この記事の要点 —

3 連単 109.6 万レースの払戻データを集計した結論:万舟は「頭(1 着)が何号艇か」でほぼ決まる。1 号艇頭は平均 3,293 円(万舟率 5.8%)、6 号艇頭は平均 17,799 円(万舟率 40.1%)と、頭が外に行くほど配当はきれいに跳ね上がる(単調増加)。出目別の "万舟製造機" トップは 6-5-4(平均 22,345 円・万舟率 51.6%)で、上位は 6-5 系・5-6 系がほぼ独占。一方で最頻出の 1-2-3(5.4 万回)は平均 1,609 円でトリガミ(払戻 < 賭け金)の常連。さらに「1 号艇が逃げても 2 着が外なら荒れる」── 1-6-x は万舟率 19.7%。全体では平均 7,559 円・中央値 3,090 円・万舟率 18.6%。歴代最高は児島の 6-1-5=761,840 円。

そもそも「万舟」とは ─ 5 レースに 1 回弱は出ている

ボートレース(競艇)の万舟(まんしゅう)とは、3 連単の払戻金が 1 万円以上になったレースのこと。100 円が 1 万円になる、つまり 100 倍以上の高配当決着を指す競艇ファンの俗語だ。さらに高額配当は金額に応じて 「2 万舟(にまんしゅう)」「5 万舟」「10 万舟(じゅうまんしゅう)」のように "○万舟" と呼ぶのが通り相場で、特に 10 万円を超える特大配当を「超万舟」と呼ぶこともある(明確な定義はなく体感ベース)。10 万舟は全体の 約 0.44%(およそ 228 レースに 1 回)と、出れば伝説級だ。

「万舟なんてめったに出ない」と思われがちだが、データで見ると意外と身近だ。3 連単 109.6 万レースのうち、万舟(1 万円以上)になったのは 18.6% ──およそ 5 レースに 1 回弱は万舟が飛んでいる計算になる。

平均 7,559 円 > 中央値 3,090 円。
この「平均 > 中央値」のねじれこそ、万舟という"裾の長い当たり"が生む競艇の魅力であり、罠でもある。

検証方法

  1. 期間:2001-06-16 〜 2026-07-10(3 連単の払戻記録がある全期間)
  2. 対象:3 連単(3 連単 = 1・2・3 着を着順通りに当てる賭式)の確定払戻 1,096,231 レース
  3. 除外:返還・不成立などで出目が「1-2-3」形式(1〜6 号艇の 3 連単)にならないレコードは除外
  4. 集計:出目(1 着-2 着-3 着の艇番組合せ、全 120 通り)ごとに、出現回数・平均払戻・万舟率(1 万円以上の割合)・超万舟率(10 万円以上)を算出

ポイントは、これが 「予想が当たった人の配当」ではなく「実際に出た決着の配当」だという点。つまり "結果としてその出目がどれくらいの配当を生んだか" を、四半世紀分・約 110 万レースで丸ごと集計している。

結論①:万舟は「頭(1 着)が外」で生まれる

まず最も重要な発見から。1 着がどの艇かで、配当はほぼ決まる。出目を「1 着の艇番」で束ねて平均配当・万舟率を出すと、これ以上ないほどきれいな 単調増加が現れた。

1 着(頭)レース数平均配当万舟率
(≥1万)
超万舟率
(≥10万)
最高配当
1 号艇467,3833,293 円5.8%0.01%331,800
2 号艇183,3587,726 円19.8%0.33%537,990
3 号艇156,6259,058 円24.8%0.37%447,060
4 号艇135,13110,429 円29.6%0.41%682,760
5 号艇88,16315,148 円40.0%1.39%534,930
6 号艇65,57117,799 円40.1%2.72%761,840
1着艇番別の万舟率と平均配当のグラフ(2026-07更新)
図:1着艇番別の万舟率(棒)と平均配当(線)。頭が外艇になるほど万舟率も配当も跳ね上がる。

読み取れることは多い:

万舟の分かれ目は、「2 着・3 着」より先に 「頭が誰か」にある。
頭が外(5・6 号艇)に飛んだ瞬間、配当は別世界になる。

結論②:万舟製造機ランキング ─ 6-5 系の独占

では、120 通りの出目のうち 「平均配当が高い=万舟になりやすい出目」はどれか。出現 500 回以上に絞った平均配当ランキングがこれ。

順位出目出現平均配当万舟率
16-5-32,18323,566 円47.3%
26-5-22,48522,464 円47.6%
36-5-42,18722,345 円51.6%
46-4-32,68021,306 円45.6%
56-5-12,84121,027 円46.8%
66-2-52,90820,888 円43.1%
76-3-52,56620,816 円43.6%
86-4-52,51520,292 円47.4%
95-6-42,91619,902 円49.1%
105-4-33,35419,460 円49.8%
116-3-42,89619,278 円41.0%
126-4-22,97919,272 円42.7%

ちなみに、この 25 年で出た 歴代最高配当は児島の「6-1-5」= 761,840 円(2022 年)。1 点 100 円が 76 万円になった計算だ。続く 2 位は徳山「4-5-2」= 682,760 円、3 位は三国「6-3-5」= 650,610 円と、上位はやはり「頭が外」のオンパレードになっている(この3件はR10-12を含む集計でも順位不変)。

堅い出目ランキング ─ 最頻出 1-2-3 は平均 1,609 円

逆に「よく出るが安い出目」も見ておこう。出現回数トップ 12 は、見事に すべて 1 号艇か 2 号艇が頭だ。

順位出目出現回数平均配当万舟率
11-2-353,6481,609 円0.9%
21-2-441,8981,899 円1.6%
31-3-240,2492,140 円1.9%
41-3-434,9922,156 円2.3%
51-2-530,6422,613 円3.3%
61-4-230,1002,643 円3.3%
71-3-526,2292,727 円3.6%
81-4-325,7052,940 円3.8%
91-2-624,4983,344 円5.1%
102-1-321,4883,905 円6.4%
111-3-620,6423,617 円6.4%
121-4-519,1183,577 円6.0%

「1 号艇が逃げても荒れる」── 2 着・3 着に見る外艇の入り方

「頭が外なら荒れる」は分かった。では 1 号艇が逃げ切った(=頭は堅い)レースの中では、配当はどう動くのか。1 号艇頭のレースを「2 着の艇番」で分けるとこうなる。

出目レース数平均配当万舟率
1-2-x150,6862,176 円2.3%
1-3-x122,1122,520 円3.1%
1-4-x91,3893,223 円4.9%
1-5-x59,9275,085 円11.3%
1-6-x43,2697,026 円19.7%
1号艇1着時の2着艇番別の万舟率グラフ(2026-07更新)
図:1号艇1着でも2着が外になるほど万舟率は上昇。1-6-xは19.7%。

頭が同じ 1 号艇でも、2 着が外に動くだけで配当は 3 倍以上になる。1-2-x(平均 2,176 円・万舟率 2.3%)に対し、1-6-x は 平均 7,026 円・万舟率 19.7%。1 号艇が堅く 1 着を守っても、2・3 着に外(5・6 号艇)が絡むレースほど中波乱の配当になりやすいことが、この内訳から読み取れる。

万舟(高配当)が出やすい出目の傾向

以上のデータから、万舟(高配当)につながりやすい出目のパターンを整理する。あくまで配当構造の話で、当たりやすさを保証するものではない点は最初に強調しておく。

  1. 「1-2-3 系」は平均 1,609〜3,000 円台の低配当ゾーン:出現数が最も多く決着としては最も堅い部類に入る一方、平均配当は全出目の中でも低水準にとどまる
  2. 1 号艇が頭でも、2・3 着に外(5・6 号艇)が絡むと配当は上がる:1-5-x / 1-6-x は万舟率 11〜20%。イン逃げの堅さと、2・3 着の荒れが同居するのが中波乱の出目の特徴
  3. 頭が 5・6 号艇のレースは万舟率が最も高い:6 号艇頭は万舟率 40.1%。ただし 6 号艇が頭になること自体は約 6.0%(65,571 / 109.6 万)の低確率で、展示・スタート・選手・会場のクセに外艇の 1 着がどれだけ表れやすいかで出目の傾向が変わる
  4. 会場によっても傾向が変わる:そもそも荒れやすい会場(外有利・荒れ水面)では頭が外に飛ぶ確率自体が高い。万舟が出やすい競艇場 TOP 5 も合わせて読むと、「どの会場でどの出目が出やすいか」が立体的に見えてくる
— 大前提:期待値はマイナス —
3 連単の控除率は約 25%。どの出目を狙っても、長期的な期待値はマイナスから始まる。本記事は「どの出目がどれくらいの配当を生むか」という構造の解説であって、「この出目を買えば儲かる」という攻略法ではない。舟券は余裕資金の範囲で、娯楽として楽しむもの。

結論

  1. 万舟は「頭が外」で生まれる ─ 1 号艇頭 3,293 円 → 6 号艇頭 17,799 円。例外のない単調増加で、配当の 8 割は「1 着が誰か」で説明できる。
  2. 万舟製造機トップは 6-5-4(万舟率 51.6%) ─ 上位は 6-5 系・5-6 系が独占。1〜4 号艇頭の出目は平均配当ランキングに 1 つも入らない。
  3. 最頻出 1-2-3 は平均 1,609 円 ─ 全体の 4.9% を占めるが、万舟率 0.9% でトリガミ常連。「よく出る出目」と「配当が高い出目」は正反対。
  4. 1 号艇頭でも 2・3 着が外なら荒れる ─ 1-6-x は万舟率 19.7%。中波乱は「イン頭 × 2・3 着が外」という組合せで生まれやすい。
  5. 歴代最高は児島 6-1-5 = 761,840 円 ─ 25 年・110 万レースの頂点もやはり「6 頭」だった。
「どの出目が当たるか」は誰にも分からない。
だが「どの出目がいくら付くか」は、110 万レースが教えてくれる。

データに関する注記

検証データ:2001-06-16 〜 2026-07-10、3 連単 1,096,231 レースの確定払戻(BOATCRAFT データベース、全国 24 会場)/ 集計指標:出目別の出現回数・平均払戻・万舟率(1 万円以上)・超万舟率(10 万円以上)/ 最終更新:2026-07-11

万舟は運じゃない出目の構造だ

「頭が外に飛ぶほど荒れる」── データが示すのは、万舟が確率と配当の構造から生まれるという事実。BOATCRAFT は 選手 × コース × モーター × 展示 × 会場のクセ を統合した予測モデルで、各出目の確率分布を毎レース計算。本命の堅いレースも、外が突き抜ける波乱含みのレースも、23 つまみ で「本命重視 / 穴重視」のバランスを自分用にチューニングできる。

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