競艇ファンなら誰もが一度は夢見る「万舟」。中でも 3 連単で 100 倍を超える配当は、当てた瞬間に投資金を一気にひっくり返す爆発力がある。だがこの「万舟」、会場ごとに出やすさが大きく違うのはご存知だろうか?
BOATCRAFT が 直近5年 (2021-2026年)・約30.5万レースの実データを使って、3 連単で万舟が出やすい競艇場を集計した結果を公開する。
万舟とは ─ 100 倍以上の高配当
万舟 (万舟券) とは、配当が 10,000 円 (100 倍) 以上になった舟券のこと。100 円買って 10,000 円戻ってくる、まさに夢のような舟券。
競艇の場合、3 連単 (1 〜 3 着を着順通り当てる) が万舟の約 80% を占める。3 連単は組み合わせが 120 通りあるため、当てる難易度が高い分、配当も大きく跳ねる構造になっている。
一方で、1 コースが順当に勝つ「本命決着」では、3 連単の配当は数百円〜 2,000 円程度に収まることが多い。つまり「万舟が出やすい = 1 コースが勝てない (= 1 コース勝率が低い) 会場」と言い換えることができる。
万舟が出やすい会場の共通条件 3 つ
直近5年のデータを分析すると、万舟率が高い会場には明確な共通点がある。
- 1. 1 コース勝率が 50% 前後を切る ─ 全国平均は 54.82% だが、TOP 5 はすべて 43-51% 台。本命のインが消える機会が多いほど、配当は跳ねる。
- 2. 自然要因による水面の難しさ ─ 波 / うねり / 潮流 / 強風など、選手の技術だけではコントロールしきれない要素が常にある。
- 3. アウトコース (4-6 コース) の勝率が他会場より高い ─ 外枠艇の決まり手 (まくり・まくり差し) が決まりやすく、結果として荒れる。
TOP 5 ランキング (直近5年集計)
🥇 1 位: 戸田競艇場 (埼玉県戸田市) ─ 1 コース勝率 43.34%
全国 24 会場で最も 1 コースが勝てない会場がここ戸田。1 コース勝率は 43.34% と全国平均 (54.82%) から 11.48pp も下振れる、まさに「アウト天国」の代表格。
理由は構造的に明確だ:
- 全国最狭水面 (幅 107.5m) ─ 競走水面が狭く、外艇のまくりが内艇に届きやすい。
- 淡水 × 水面幅 約 50m (1M 付近 37m) ─ 浮力が弱く、狭水面で外艇のまくりが内艇に届きやすい。
- 4 コース 1 着率 13.62% (全国平均 10.03% から +3.59pp) ─ 4 コースだけ全国突出。
結果、戸田は 3 連単万舟が頻出する。1 コースが順当に勝ちにくく、荒れ決着が多い会場と言える。
🥈 2 位: 平和島競艇場 (東京都大田区) ─ 1 コース勝率 44.92%
東京湾沿いの平和島は、首都圏の難水面として有名。1 コース勝率 44.92% は全国 23 位、戸田に次ぐ「アウト天国」。
- 海水・波・うねり強い ─ 東京湾の風と波がそのまま競走水面に届く。
- スタンドの構造で風が複雑 ─ ビル風のような乱気流がスタートを荒らす。
- 2-3 コースの差し・まくり差しがよく決まる ─ 内艇のターンが不安定。
🥉 3 位: 江戸川競艇場 (東京都江戸川区) ─ 1 コース勝率 46.00%
全国唯一の河川コース (水質: 汽水)として知られる江戸川。中川放水路の流れと潮位差が、選手の操艇を極端に難しくする。
驚くべきは 2 コース勝率が 18.22% で全国 1 位という点。1 コースが勝てず、代わりに 2 コースがガンガン勝つ独特の会場性質。
- 中川放水路の流れ ─ 川の上下流方向の流れが常に存在。
- 潮位差と川流の相反 ─ 上げ潮時には川の流下と潮の差込みがぶつかり、波が立ちやすい。
- 河岸からの反射波 ─ 河川幅が限られるため、艇の引き波が岸で反射して水面が暴れる。
4 位: 鳴門競艇場 (徳島県鳴門市) ─ 1 コース勝率 48.02%
鳴門海峡に近い小鳴門海峡に面した鳴門は、潮位差 (最大約 2m) の影響で満潮・干潮で水面が一変する難水面。
- 満潮・干潮の潮位差 ─ 最大約 2m の水位変動でモーター調整・スタートタイミングが変わる。
- 海水 × 難ターン ─ ターンマーク周りの操艇難易度が全国最高クラス。
- 5 コース勝率 6.95% (全国平均 5.67%) ─ 大外艇のまくり差しもしばしば。
5 位: 桐生競艇場 (群馬県みどり市) ─ 1 コース勝率 51.21%
全国最北・標高 約 130m (全国 1 位) の桐生。空気が薄くモーターパワーが出にくいうえ、赤城おろしと呼ばれる強風が万舟を量産する。
- 標高 約 130m で気圧低い ─ モーターの吸気効率が落ちる。
- 赤城おろし ─ 季節風が強く吹く時期は読みが極端に難しい。
- ナイター開催 (1997 年〜) ─ 日中と夜で水面状況が変わる。
万舟(高配当)が出やすい条件
上記 TOP 5 会場で万舟が出やすくなるのは、次のような条件が重なったときだ:
- 1. 強風日 ─ 風速が強いと荒れ傾向が強まるとされる。
- 2. 内枠の F (フライング) 持ち ─ F 持ちは慎重になりがちで、1 コースでもスタートが甘くなる傾向。
- 3. 2-4 号艇の機力上位 ─ 万舟は 1 着の顔ぶれだけでなく、2 着・3 着の組み合わせが荒れることで生まれやすい。上位機力の艇が複数絡むレースほど、2-3 着の振れ幅が大きくなる傾向。
- 4. 進入の乱れ ─ 前づけが入ると 1 コース勝率は大きく下振れる。
BOATCRAFT のアプリは、こうした会場特性・進入予想を 23 つまみで自分で重み付けできるのが特徴。「戸田のアウト天国」前提のチューニングを保存しておけば、戸田開催の日は一発で穴目寄りの予想に切り替えられる。
まとめ
3 連単 万舟が出やすい競艇場 TOP 5 は、戸田 / 平和島 / 江戸川 / 鳴門 / 桐生。いずれも 1 コース勝率が 50% 前後を下回り、自然要因 (水面・潮流・風・標高) によって本命決着が崩れやすい構造を持つ。
これらの会場は 1 コースが順当に勝ちにくく、荒れ決着が起こりやすい「難水面」。対照的にイン天国 (徳山・大村・芦屋) は 1 コースの勝率が高く、堅い決着が多い会場だ。
なお、このランキングは「今の水面」を映すため直近5年で作っている。BOATCRAFT のデータベースには 1999 年からの27年分の記録があり、その27年間でイン勝率は 22.3%→55% 台へ大きく変化した (制度改革の影響。詳細は検証ラボ #13「インの四半世紀史」)。この変化を踏まえ、直近の傾向が最も参考になる期間だけを採用している。
集計期間: 直近5年・2021-2026 年 (約 30.5 万レース、BOATCRAFT データベース) / 最終更新: 2026-07-11