— この記事の要点 —

2022-2026 年の 1 号艇 184,954 走を集計した結論:1 号艇の堅さは「級別」でほぼ決まる。1 号艇の 1 着率は全体平均 51.3%だが、級別で分けると A1:70.1% / A2:59.1% / B1:39.4% / B2:32.8% と、最大 37.3 ポイントの差がついた。通説「A1 なら 70%」はほぼ的中。一方で B1 の 1 号艇は 4 割を切り、半分も勝てない。この級別の差は 2〜6 コースでも一貫して現れ(どのコースでも A1>A2>B1>B2)、最も堅いのは A1 × 1 コース(70.1%)、最も来ないのは B2 × 6 コース(0.6%)。さらに同じ A1 の 1 号艇でも会場差は大きく、津 75.6% 〜 江戸川 58.3%と 17 ポイント開く。「1 号艇」という枠だけ見ても、堅さは測れない。

通説「A1 なら 1 コース 70%」── 級別とは何か

競艇の選手は成績によって A1・A2・B1・B2 の 4 階級にランク分けされる(半年ごとに勝率・複勝率・事故率などで改定)。トップ約 20% が A1、下位が B2 で、級別はその選手の「現在の実力」を最も端的に表す指標だ。

そして競艇ファンの間でよく語られるのが 「A1 級が 1 号艇に入ったら 1 コースは 70% 堅い」という経験則。逆に「B1・B2 の 1 号艇は当てにならない」とも言われる。この通説は、四半世紀分のデータでどこまで正しいのか。1 号艇(boat number 1)の選手の級別ごとに、実際の 1 着率を出して検証する。

検証方法

  1. 期間:2022-01-01 〜 2026-06-05(直近の信頼できる結果データに限定。古い年代は結果記録の欠損が多く、勝率が実態と乖離するため除外)
  2. 対象:全国 24 会場の 1 号艇 184,954 走(級別が記録されている全レース)。級別×コース分析では全 6 コース・全級別を対象
  3. 集計:選手の級別(A1/A2/B1/B2)ごとに、その艇が 1 着になった割合(1 着率)を算出。コース=艇番(1 号艇 = 1 コース近似、競艇は枠なり進入が大半)

結論①:「A1 なら 70%」は本当だった ── ただし A1 限定

まず核心から。1 号艇の選手を級別で分けると、1 着率はきれいに階段状に並んだ。

1 号艇の級別走数1 着率平均との差
A140,04970.13%+18.8pt
A251,58959.07%+7.7pt
B187,96339.37%−11.9pt
B25,35332.79%−18.5pt
全 1 号艇 平均184,95451.33%±0
1号艇の級別別1着率の棒グラフ。A1 70.1%、A2 59.1%、B1 39.4%、B2 32.8%
図:1号艇の級別別1着率(2022-26)。A1は70.1%で通説どおり、B1は39.4%まで落ち、級別で37ポイント差。
「1 号艇だから堅い」は半分嘘。
正しくは 「A1 の 1 号艇だから堅い」。級別を見ずに 1 号艇を信頼するのは、最も危険な思い込みのひとつ。

結論②:級別の差は、どのコースでも一貫している

この「級別効果」は 1 コースだけの話ではない。2〜6 コースまで含めて 級別 × コースの 1 着率をマトリクスにすると、どのコースでも例外なく A1>A2>B1>B2 の順序が保たれていた。

コースA1A2B1B2
1 コース70.159.139.432.8
2 コース25.819.410.28.3
3 コース23.317.48.67.5
4 コース19.213.87.44.0
5 コース12.98.54.01.7
6 コース8.34.41.90.6

※数値は 1 着率(%)。2022-2026 年・全国 24 会場。

級別×コース別の1着率ヒートマップ。左上のA1×1コースが70.1で最も堅い
図:級別×コース別の1着率(2022-26・%)。どのコースでもA1>A2>B1>B2。左上=A1の1コースが最も堅い。

同じ A1 の 1 号艇でも、会場で 17 ポイント変わる

「A1 の 1 号艇 = 70%」も、あくまで全国平均。会場ごとに見ると、同じ A1 の 1 号艇でも 1 着率は大きくばらつく

その差は 津と江戸川で 17 ポイント。「A1 の 1 号艇」という同じ条件でも、会場のクセを重ねて初めて本当の堅さが見える。会場別の傾向は 24 会場ガイド に詳しい。

実践 ── 「1 号艇だから」を「A1 の 1 号艇だから」に

  1. 1 号艇は「級別とセット」で見る:出走表で 1 号艇を見たら、まず級別を確認。A1 なら本線級、B1・B2 なら「1 号艇でも頭から崩す」発想に切り替える
  2. B1・B2 の 1 号艇は "荒れ" のサイン:1 号艇 1 着率が 4 割前後しかない以上、2〜6 号艇の頭、つまり万舟(頭が外)の芽が大きい。堅く 1 号艇から買うより、外を絡める方が期待値に合う場面が多い
  3. 外枠の A1 は "穴の本命":4・5 コースの A1(19.2% / 12.9%)は、配当が付くわりに一定の確率で突き抜ける。級別を見れば「妙味のある外枠」を拾える
  4. 会場のクセを重ねる:同じ A1 の 1 号艇でも、津なら鉄板級、江戸川なら半信半疑。級別 × コース × 会場の 3 点セットで初めて精度が出る
— 注意:これは確率の話 —
級別はあくまで「平均的な強さ」。A1 でも展示・スタート・モーターが悪ければ崩れるし、B1 でも条件が揃えば逃げ切る。本記事は「級別でこれだけ勝率が変わる」という構造の解説であって、個別レースの的中を保証するものではない。舟券は余裕資金の範囲で楽しむもの。

結論

  1. 「A1 なら 1 コース 70%」は本当 ── A1 の 1 号艇は 1 着率 70.1%。経験則が実データで裏付けられた。
  2. だが B1 の 1 号艇は 39.4% ── 同じ 1 号艇でも級別で 37 ポイント差。「1 号艇だから堅い」ではなく「A1 の 1 号艇だから堅い」。
  3. 級別の差はどのコースでも一貫 ── 1〜6 コースの全てで A1>A2>B1>B2。最堅は A1×1 コース(70.1%)、最薄は B2×6 コース(0.6%)。
  4. 会場差も大きい ── 同じ A1 の 1 号艇でも津 75.6% 〜 江戸川 58.3% と 17 ポイント開く。級別 × コース × 会場で見る。
1 号艇という「枠」は、堅さを保証しない。
堅さを決めるのは、そこに乗る選手の 級別だ。

データに関する注記

検証データ:2022-01-01 〜 2026-06-05、1 号艇 184,954 走(BOATCRAFT データベース、全国 24 会場)/ 集計指標:級別(A1/A2/B1/B2)× コース別の 1 着率 / 最終更新:2026-06-05

「1 号艇だから」では、勝てない。

同じ 1 号艇でも、A1 なら 70%、B1 なら 39%。堅さを決めるのは枠ではなく級別だ。BOATCRAFT は 級別 × コース × 選手 × モーター × 展示 × 風速 × 会場のクセ を統合し、各艇の確率を毎レース計算する。「1 号艇=本命」のような単純な思い込みに引っ張られず、23 つまみ で自分の狙い(本命重視 / 穴重視)に合わせてチューニングできる。

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