① レース番号には"地形"がある ── R3で荒れ、R12で締まる
まず一番きれいに出たのがこれ。全国24場をならして、1〜12レースのイン1着率を並べると、12レースの中に明確な起伏があった。
- R1は堅め(58.6%) ── 進入が固定されやすい序盤戦。モーニング開催では1Rに企画レース(イン戦・新人戦)が組まれることも多く、本命が走りやすい
- R2〜R4で荒れの谷(45.7%=最低はR3) ── 予選序盤はB級選手が内に入りやすく、力関係も読みにくい。1号艇の1着率が半分を切るのがこの時間帯
- 後半に向けて一気に締まる ── R11で66.4%、R12で70.7% ── 終盤は選抜・準優・優勝戦に強い選手(≒A級)がインに集まる番組編成。実力者が内枠に座るから、本命で決まりやすい
序盤(特にR3)で荒れ、終盤(R11-12)で締まるという地形がある。
つまり、同じ会場でも「何レース目か」だけで本命の信頼度が20ポイント以上変わる。これは出目や配当ではなく、番組編成(誰が内枠に入るか)がレース番号に紐づいているために起きる、構造的なパターンだ。
② 全国24場×12R 固さヒートマップ
会場ごとに見るとどうか。24場 × 12R のイン1着率を、そのまま色の地図にした。金色=堅い(本命が来やすい)/青=荒れる(本命が飛びやすい)、右端は会場全体の平均。上ほど全体的に堅い会場だ。

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すべての数字を表で見る(24場×12R・イン1着率%)
| 会場 | 1R | 2R | 3R | 4R | 5R | 6R | 7R | 8R | 9R | 10R | 11R | 12R | 全体 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 徳山 | 78 | 66 | 70 | 73 | 66 | 47 | 51 | 50 | 55 | 56 | 61 | 78 | 63 |
| 大村 | 54 | 50 | 49 | 48 | 53 | 57 | 70 | 69 | 70 | 73 | 79 | 73 | 62 |
| 芦屋 | 73 | 61 | 60 | 77 | 66 | 37 | 62 | 40 | 56 | 58 | 65 | 72 | 61 |
| 下関 | 54 | 53 | 47 | 47 | 61 | 49 | 58 | 70 | 66 | 69 | 73 | 74 | 60 |
| 尼崎 | 46 | 49 | 45 | 52 | 56 | 70 | 56 | 58 | 61 | 68 | 74 | 75 | 59 |
| 住之江 | 55 | 49 | 48 | 48 | 67 | 50 | 50 | 57 | 57 | 66 | 76 | 75 | 58 |
| 常滑 | 58 | 47 | 46 | 53 | 53 | 57 | 53 | 48 | 58 | 68 | 70 | 74 | 57 |
| 若松 | 50 | 43 | 39 | 42 | 74 | 49 | 54 | 71 | 61 | 62 | 69 | 69 | 57 |
| 津 | 79 | 52 | 44 | 39 | 77 | 44 | 44 | 47 | 58 | 58 | 68 | 74 | 57 |
| 宮島 | 72 | 44 | 45 | 45 | 58 | 57 | 43 | 47 | 64 | 59 | 70 | 73 | 56 |
| 丸亀 | 51 | 43 | 41 | 43 | 47 | 54 | 52 | 76 | 63 | 65 | 67 | 71 | 56 |
| 福岡 | 72 | 46 | 43 | 46 | 45 | 43 | 50 | 67 | 58 | 61 | 70 | 70 | 56 |
| 児島 | 68 | 47 | 43 | 43 | 53 | 60 | 47 | 49 | 59 | 52 | 71 | 73 | 55 |
| 蒲郡 | 47 | 41 | 41 | 40 | 45 | 49 | 64 | 58 | 64 | 70 | 70 | 72 | 55 |
| びわこ | 64 | 47 | 43 | 42 | 60 | 56 | 45 | 48 | 50 | 57 | 67 | 70 | 54 |
| 唐津 | 74 | 64 | 62 | 47 | 47 | 41 | 38 | 39 | 46 | 58 | 63 | 71 | 54 |
| 三国 | 76 | 58 | 58 | 57 | 43 | 41 | 41 | 42 | 41 | 48 | 60 | 70 | 53 |
| 多摩川 | 56 | 45 | 40 | 38 | 40 | 41 | 46 | 56 | 63 | 66 | 69 | 72 | 53 |
| 浜名湖 | 50 | 38 | 39 | 63 | 44 | 43 | 50 | 53 | 53 | 58 | 63 | 70 | 52 |
| 桐生 | 39 | 34 | 34 | 34 | 40 | 74 | 57 | 55 | 53 | 59 | 65 | 68 | 51 |
| 鳴門 | 72 | 46 | 55 | 55 | 44 | 34 | 35 | 35 | 36 | 45 | 53 | 65 | 48 |
| 江戸川 | 47 | 41 | 39 | 39 | 39 | 38 | 42 | 46 | 48 | 56 | 57 | 60 | 46 |
| 平和島 | 34 | 44 | 34 | 36 | 50 | 35 | 39 | 45 | 52 | 52 | 57 | 62 | 45 |
| 戸田 | 38 | 30 | 30 | 33 | 46 | 32 | 62 | 38 | 45 | 47 | 54 | 63 | 43 |
※ イン1着率=1号艇の1着率。出典:BOATCRAFT データベース(直近5年・全24会場のレース結果を集計)。
- 横に読むと「会場の中の地形」 ── たとえば徳山はR1・R12が78%の鉄板だが、R6〜8だけ47〜51%まで沈む。会場ごとに堅い時間帯・荒れる時間帯が違う
- 縦に読むと「同じレース番号での会場差」 ── 同じR1でも、津・徳山・唐津のように75%超の堅い場と、平和島・戸田のように30%台の荒れ場がある
③ 鉄板レースと、大荒れレース TOP8
セル単位(会場×R)で、特に堅い/荒れるレースを抜き出した。
🪨 特に堅い(本命が来やすい)レース
| 順位 | 会場・R | イン1着率 |
|---|---|---|
| 1 | 津 1R | 79.3% |
| 2 | 大村 11R | 78.8% |
| 3 | 徳山 12R | 78.2% |
| 4 | 徳山 1R | 77.7% |
| 5 | 芦屋 4R | 77.4% |
| 6 | 津 5R | 76.5% |
| 7 | 三国 1R | 76.3% |
| 8 | 丸亀 8R | 75.9% |
🌊 特に荒れる(本命が飛びやすい)レース
| 順位 | 会場・R | イン1着率 |
|---|---|---|
| 1 | 戸田 3R | 30.2% |
| 2 | 戸田 2R | 30.5% |
| 3 | 戸田 6R | 32.2% |
| 4 | 戸田 4R | 32.9% |
| 5 | 鳴門 6R | 33.6% |
| 6 | 桐生 3R | 33.6% |
| 7 | 平和島 3R | 33.9% |
| 8 | 桐生 4R | 34.0% |
大村11R・住之江11Rのような後半の準優・優勝戦クラスは7割超で決まる一方、戸田・桐生・平和島の序盤レースのような難水面の序盤は3割前後しか本命が残らない。「会場名」だけでなく「会場×レース番号」で見て初めて、本当の固さが分かる。
④ 会場のクセ ── イン天国とイン地獄
会場全体の固さ(イン1着率の平均)で並べると、水面の性格がそのまま出る。
- 堅い水面(イン有利):徳山 62.6% / 大村 62.1% / 芦屋 60.6% … 広い・静水・イン有利な設計の場ほど本命が残る
- 荒れる水面:戸田 43.3% / 平和島 44.9% / 江戸川 45.9% … 戸田・江戸川・平和島など、狭い・潮や風の影響が大きい水面はインが崩れやすい
会場ごとのより詳しい傾向(コース別勝率・決まり手・水面のクセ)は 24会場ガイド、各会場の"今日"の結果と出走表は 全国24場ライブ で見られる。
⑤ AI「テトラ」も、同じ固さを見抜いている
ここがBOATCRAFTならではの確かめ方。客観のイン1着率マップと、AIエンジン「テトラ」が選んだ本命の1着率マップを、8会場で突き合わせた。結果、相関は0.99 ── 2つの地図は、ほぼ同じ起伏を描いた。
| 会場 | イン1着率(客観) | テトラ本命1着率(AI) |
|---|---|---|
| 徳山 | 62.6% | 63.2% |
| 大村 | 62.1% | 62.7% |
| 芦屋 | 60.6% | 62.7% |
| 下関 | 60.1% | 61.9% |
| 尼崎 | 59.0% | 63.4% |
| 江戸川 | 45.9% | 49.4% |
| 平和島 | 44.9% | 49.1% |
| 戸田 | 43.3% | 46.7% |
※ イン1着率=直近5年・再集計。テトラ本命1着率=AIモデル(v10)の検証期間(OOS)における本命単勝1着率のスナップショット(2026年6月時点)。8会場の相関 r=0.99(t=16.8)。
これは「AIが何か魔法を使っている」という話ではなく、むしろ逆 ── テトラは、会場とレース番号に染み込んだ"固さ"という構造を、ちゃんとデータから学習できているという証拠だ。固いレースでは確率が本命に集中し、荒れるレースでは複数艇に分散する。固さマップは、AIの予想の"答え合わせ"にもなっている。
⑥ 重要 ── 「堅い」と「儲かる」は、別物
最後に、一番大事な但し書き。「固いレースだけ本命を買えば勝てる」── これは成り立たない。
固さマップが実際に示しているのは、「本命の信頼度がレースごとにどれだけ違うか」という構造そのものだ ──
- 堅いレース(R11-12・イン有利場):本命(1号艇)の1着率は70%を超え、統計的にも極めて安定した傾向として現れる
- 荒れるレース(R2-4・難水面):本命の1着率は5割を切り、2〜6号艇のいずれかが1着になる確率の方が高くなる
- 「当てやすさ」と「オッズ」は別の情報:固さは"当てやすさ"の地図であり、"回収率"はオッズと掛け合わせて初めて分かる(ここはまた別の検証で)
結論
- 12レースには地形がある ── R3が最も荒れ(45.7%)、後半に締まってR12が最も堅い(70.7%)。差は統計的に確実(z=54.3)。番組編成(誰が内に入るか)がレース番号に紐づくため。
- 会場差も大きい ── 徳山・大村は60%台で堅く、戸田は43%で全国一荒れる(z=29.5)。会場×レース番号で見ると、津1R(79.3%)〜戸田3R(30.2%)まで開く。
- AIテトラも同じ固さを学習 ── 客観のイン1着率と、テトラの本命1着率は8会場で相関0.99。AIは固さという構造を正しく捉えている。
- ただし固さ≠回収率 ── 堅さはオッズに織り込み済み。固さマップは"儲かる表"ではなく、本命の信頼度がレースごとにどう違うかを示す構造の地図。
データが言えること
- レース番号による「固さ」は統計的に確実(R3 45.7% vs R12 70.7%、z=54.3、p<0.0001)
- 会場による「固さ」も統計的に確実(徳山62.6% vs 戸田43.3%、z=29.5)
- 「会場×レース番号」まで絞ると差はさらに広がる(津1R 79.3% 〜 戸田3R 30.2%、z=21.5)
- AIテトラの本命1着率は客観のイン1着率と強く連動する(8会場でr=0.99)
言いすぎ注意
- 固さ(当てやすさ)とオッズ(儲けやすさ)は別物。堅いレースは本命のオッズも安い
- テトラの数字は特定モデルバージョンの検証結果(2026年6月時点)のスナップショットで、イン1着率のように毎回再集計しているものではない
- コースは艇番で近似しており、前づけ等の実進入変更は反映していない
- 直近5年の傾向であり、個別レースの結果を保証するものではない
その地図を持つことは、勝ち負けの前に「どのレースの本命がどれだけ信頼できるか」を教えてくれる。
データに関する注記
- イン1着率=直近5年・全国24場の275,671レース(BOATCRAFTデータベース、2021-07-09〜2026-07-08)。1号艇が1着になった割合。失格・転覆等で1号艇が完走しなかったレースは「1着でない」として集計
- テトラ本命1着率はAIモデル(v10)の検証期間(学習に使っていないOOS期間)での、モデル最有力艇の単勝1着率(2026年6月時点のスナップショット)。期間がイン1着率(直近5年)と異なるため、両者は「8会場の相関」で比較している
- コースは艇番で近似(1号艇=1コース)。競艇は枠なり進入が大半だが、前づけ等で実進入が異なる場合がある
- 統計検定:2標本比率検定(z検定)。z値が大きいほど、その差が偶然で生じた可能性は低い
- 本記事は固さ(本命の来やすさ)の構造の解説であり、個別レースの的中や利益を保証するものではない。舟券は20歳以上・余裕資金の範囲で
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- 検証ラボ #10 ─ 全国24場 イン逃げ堅さランキング(会場別のイン強さ・1次元版)
- 検証ラボ #13 ─ インの20年史(イン率の歴史的推移)
- 全国24場ライブ ─ 各会場の"今日"の結果・出走表・締切
- 24会場ガイド ─ 会場別のイン強さ・水面のクセ
検証データ:直近5年・全国24場の275,671レース(BOATCRAFTデータベース、2021-07-09〜2026-07-08)/ 集計指標:会場×レース番号別のイン1着率+AI本命1着率との相関 / 統計検定:2標本比率検定(z検定) / 初出:2026.06.22 / 再集計・深掘り:2026.07.09(統計検定を追加、DB更新により数値を最新化)