「1 コースは堅い」── ただし会場による
競艇(ボートレース)は 6 艇中 1 号艇(1 コース)が全国平均で 約 51%勝つ、他の公営競技にはない "本命の競技" だ。だが「どこでも 1 コースが堅い」と思って買うと痛い目を見る。同じ 1 コースでも、会場の水面によって勝率は大きく振れるからだ。今回は全国 24 会場の 1 号艇 1 着率をランキング化し、「イン天国」と「イン受難」を data で線引きする。
検証方法
- 期間:2022-01-01 〜 2026-07-10(結果データが完全な近年に限定)
- 対象:全国 24 会場の 1 号艇 250,281 走(各会場 約 9,500〜11,100 走)。全レース(1〜12 R)を集計対象とした(R10-12 は 2026-06-11 にデータが完備したため、今回から 1〜9 R 限定版から全レース版に更新)
- 指標:1 号艇(1 コース近似)が 1 着になった割合(1 着率)。高いほど「イン逃げが堅い=荒れにくい」会場
結論:イン逃げの堅さは、会場で 19 ポイント変わる
会場別に並べると、1 コース 1 着率は 徳山 62.9% を頂点に、戸田 43.5% まできれいに連続して下がった。全国平均 54.8% を境に、上位は本命党の楽園、下位は穴党の草刈り場だ。
▲ イン天国 TOP5(本命党の聖地)
- 1 位 徳山 62.9% ── 全国唯一の 6 割超。広く穏やかな海水面と長い直線で、1 号艇が 5 回に 3 回以上逃げ切る圧倒的なイン天国
- 2 位 大村 62.3% / 3 位 芦屋 60.4% ── 九州勢が上位を独占。とくに大村は "全国一の本命場" として知られ、全レース版でも徳山に肉薄する2位を守る
- 4 位 下関 60.3% / 5 位 尼崎 58.7% ── 静水で進入が乱れにくい会場が並ぶ
▼ イン受難 TOP5(穴党の草刈り場)
- 1 位 戸田 43.5% ── 全国で最も荒れる難水面。日本一短い直線(1 マークまでが近い)で、内が差され・まくられやすい。1 号艇でも 5 回に 2 回強しか勝てない
- 2 位 平和島 45.3% / 3 位 江戸川 46.4% ── うねり(平和島)と河川の流れ・潮(江戸川)が内をかき乱す
- 4 位 鳴門 47.6% / 5 位 桐生 50.8% ── 潮(鳴門)が荒れを生む。桐生は全レース版では標高・強風の影響がやや緩和
全 24 会場 フルランキング
| 順位 | 会場 | 水質 | 1号艇1着率 | 平均との差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 徳山 | 海水 | 62.9% | +8.1pt |
| 2 | 大村 | 海水 | 62.3% | +7.5pt |
| 3 | 芦屋 | 淡水 | 60.4% | +5.6pt |
| 4 | 下関 | 海水 | 60.3% | +5.5pt |
| 5 | 尼崎 | 淡水 | 58.7% | +3.9pt |
| 6 | 住之江 | 淡水 | 58.3% | +3.5pt |
| 7 | 常滑 | 海水 | 57.3% | +2.5pt |
| 8 | 津 | 汽水 | 57.1% | +2.3pt |
| 9 | 若松 | 海水 | 57.1% | +2.3pt |
| 10 | 丸亀 | 海水 | 56.4% | +1.6pt |
| 11 | 宮島 | 海水 | 56.4% | +1.6pt |
| 12 | 福岡 | 汽水 | 56.3% | +1.5pt |
| 13 | 児島 | 海水 | 55.6% | +0.8pt |
| 14 | 蒲郡 | 汽水 | 55.2% | +0.4pt |
| 15 | びわこ | 淡水 | 54.3% | -0.6pt |
| 16 | 唐津 | 淡水 | 54.1% | -0.7pt |
| 17 | 三国 | 淡水 | 53.0% | -1.8pt |
| 18 | 多摩川 | 淡水 | 52.9% | -2.0pt |
| 19 | 浜名湖 | 汽水 | 51.6% | -3.3pt |
| 20 | 桐生 | 淡水 | 50.8% | -4.1pt |
| 21 | 鳴門 | 海水 | 47.6% | -7.2pt |
| 22 | 江戸川 | 汽水 | 46.4% | -8.4pt |
| 23 | 平和島 | 海水 | 45.3% | -9.5pt |
| 24 | 戸田 | 淡水 | 43.5% | -11.3pt |
なぜ会場で 19 ポイントも変わるのか ── 水質より「水面構造」
ランキングを見て気づくのは、水質(海水・淡水・汽水)だけでは説明できないことだ。堅い上位にも荒れる下位にも、海水場と淡水場が混在している。本当に効いているのは 水面の "構造" だ。
- 直線距離(スタートから 1 マークまで):短いほど内が差され・まくられやすい。戸田の "日本一短い直線" がワーストの最大要因
- うねり・反射波:平和島・江戸川のように水面が暴れる会場は、内のターンが膨らんで荒れる
- 潮の干満:鳴門・江戸川など潮の影響を受ける会場は、時間帯で水面が一変し、イン受難になりやすい
- 静水 × 広い水面:徳山・大村・芦屋のように穏やかで広い会場は、1 号艇が落ち着いて先マイできるためイン天国になる
本当の堅さは 会場の水面構造が決める。徳山と戸田は、同じ "1 コース" でも別競技だ。
実践 ── 会場を選ぶだけで、狙いが変わる
- 本命党は "イン天国" で 1 号艇を厚く:徳山・大村・芦屋・下関では 1 号艇 1 着率 60〜63%。1 号艇を軸に据えやすく、堅く取りに行ける
- 穴党は "イン受難" で頭から崩す:戸田・平和島・江戸川・鳴門では 1 号艇が 4 割台。1 号艇を信頼せず、2〜6 号艇の頭(万舟=頭が外)を狙う方が期待値に合う
- 級別と掛け合わせる:同じ会場でも 級別で勝率は激変する。「イン天国の A1 1 号艇」は鉄板級、「イン受難の B1 1 号艇」は格好の崩し所
- 当日の風・潮も重ねる:荒れる会場ほど、当日の風速や潮回りで水面はさらに動く。会場のクセは 24 会場ガイド で個別に確認できる
結論
- 1 コースの堅さは会場で 19 ポイント変わる ── 徳山 62.9% 〜 戸田 43.5%。「1 コースはどこでも堅い」は誤り。
- イン天国は徳山・大村・芦屋・下関 ── 1 号艇 60〜63%。本命党の聖地。
- イン受難は戸田・平和島・江戸川・鳴門 ── 1 号艇 44〜48%。穴党の草刈り場。
- 決め手は水質より水面構造 ── 直線距離・うねり・潮。徳山と戸田は同じ 1 コースでも別競技。
1 号艇を信じていい水面か、疑うべき水面か ── データはもう答えを出している。
データに関する注記
- 対象は 2022-01-01 〜 2026-07-10 の 1 号艇 250,281 走(BOATCRAFT データベース、全国 24 会場、全レース 1〜12 R)。古い年代は結果記録の欠損があるため近年に限定
- 2026-07-11 更新:従来は結果記録の揃う 1〜9 R のみを集計対象としていたが、R10-12 のデータが 2026-06-11 に完備したため、本記事は全レース(1〜12 R)版に更新した。これにより全国平均は 51.2%→54.8%、堅さの差は 22.6pt→19.4pt に変わり、2 位(芦屋→大村)・3 位(大村→芦屋)が入れ替わっている
- コースは艇番で近似(1 号艇 = 1 コース)。枠なり進入が大半だが、前づけ等で実進入が枠と異なる場合がある
- 水質分類:海水 10 場 / 淡水 9 場 / 汽水 5 場(公式表記準拠)
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検証データ:2022-01-01 〜 2026-07-10、1 号艇 250,281 走(BOATCRAFT データベース、全国 24 会場、全レース 1〜12 R)/ 集計指標:会場別の 1 号艇(1 コース)1 着率 / 最終更新:2026-07-11