— 結論:競艇の枠(艇番)の色 —

1 号艇=白 2 号艇=黒 3 号艇=赤 4 号艇=青 5 号艇=黄 6 号艇=緑
この 6 色は、レーサーが着る枠番布(ゼッケン)ヘルメット、そして出走表やオッズ画面の色とすべて一致し、全国 24 場で共通。色=艇番そのもので、現代は枠なり進入(艇番どおりに並ぶ)が主流のためほぼそのままスタートコースになる。だから最内の白が最強、外の緑が最弱。直近の 1 着率は白 51.6% に対し緑 3.5%(BOATCRAFT データ)と、約 15 倍の差がある。(色別の勝率データは下の表で。)

— この記事の要点 —

競艇の枠の色は識別のための記号であると同時に、スタート位置(コース)そのもの。最内の白から外の緑へ向かって 1 着率は一直線に下がる。BOATCRAFT データ 632 万レースでは、白の 1 着率 51.6%・3 着内率 79.5%(直近)で軸の王様。しかも白の 1 着率は 2001 年の約 24% から年々上昇し、20 年で 2 倍以上に。背景には「前付け文化の衰退」と「進入の固定化」がある。最後に、色から買い目を読む初心者向けのコツまでまとめた。

枠の色は 1=白 2=黒 3=赤 4=青 5=黄 6=緑

まず大前提から。競艇では艇番(枠番)ごとに色が決まっている。これは飾りではなく、選手・艇・出走表・オッズ画面・実況テロップまで、すべて同じ色で統一された識別システムだ。「3 号艇」と言われてピンと来なくても、「赤」と言われれば水面のどの艇かすぐ分かる ── そのための配色になっている。

No.1
最内 1 コース
No.2
2 コース
No.3
3 コース
No.4
4 コース
No.5
5 コース
No.6
最外 6 コース

なぜ 1 号艇は白なのか

「1 号艇=白」には理由がある。白は水面・空のどちらを背景にしても最も視認性が高い色で、先頭(最内)を走ることが多い 1 号艇に割り当てられている。続く黒・赤・青・黄・緑も、隣り合う艇を遠目で見間違えないようコントラストを優先して決められた識別色だ。信号や標識と同じで、赤・青・黄・緑は誰の目にも区別しやすい原色が並んでいる。

— 色は「番号」とセットで覚える —
競艇の色は、競馬の枠色(1 枠白・2 枠黒・3 枠赤…)とよく似ているが完全に同じではない。競艇は 1 艇=1 色(6 色)で固定。出走表の数字が読みづらいときも、色さえ覚えておけば実況・モニター・現地の電光掲示が一気に読めるようになる。

【BOATCRAFT データ】色別の勝率を 632 万レースで実証

ここからが本題。色=艇番で、現代は枠なり進入が主流だから、色はほぼそのままスタートコースになる(厳密にはスタートコースは待機行動で決まる ── 詳しくは#04 待機行動とは)。そして競艇は、内側のコースほど第 1 ターンマークまでの距離が短く、圧倒的に有利だ。では実際、どの色がどれだけ勝つのか。BOATCRAFT が保有する632 万艇分のレース結果から、艇番(=色)別の 1 着率・2 連対率・3 連対率を集計した。

枠 / 色1 着率2 連対率
(2 着内)
3 連対率
(3 着内)
1 号艇 / 白51.6%69.8%79.5%
2 号艇 / 黒15.2%39.2%57.7%
3 号艇 / 赤13.4%34.6%54.3%
4 号艇 / 青10.8%27.4%46.9%
5 号艇 / 黄6.1%18.3%35.8%
6 号艇 / 緑3.5%12.0%27.8%

※ BOATCRAFT データベース、直近 2021〜2026 年の集計。出走(着順 1〜失格まで)を分母とし、欠場は除外。

白は「軸の王様」── 1 着率の差を見える化

表を棒グラフにすると、白の突出ぶりが一目で分かる。白だけがレースの半分を勝ち、2 号艇以下は一気に落ちる。

51.6%
15.2%
13.4%
10.8%
6.1%
3.5%

白の 3 着内率は 79.5%。つまり 1 号艇は約 8 割のレースで 3 着以内に来る。3 連単・3 連複の軸として、白を外す理由はそうそう無い ── これが「イン(白)は鉄板」と言われる数字の正体だ。一方、最外の緑は 1 着率わずか 3.5%。白とは約 15 倍の開きがある。

白い 1 号艇は「年々強くなっている」

ここが今回いちばん面白い発見。実は、白の強さは昔からではない。BOATCRAFT データで白(1 号艇)の 1 着率を年代別に追うと、きれいな右肩上がりになる。

年代白(1 号艇)の 1 着率
2001〜2003 年23.8%
2007〜2009 年28.4%
2010〜2012 年35.9%
2013〜2015 年43.0%
2016〜2018 年48.5%
2019〜2021 年51.5%
2025 年〜51.9%

2001 年には 白でも 1 着率は約 24%、つまり「1 号艇だからといって 4 回に 1 回しか勝てない」時代だった。それが 20 年で 2 倍以上の約 52% まで上がっている。なぜか。

理由は 進入(スタートコースの取り合い)の文化が変わったから。かつての競艇は「前付け(まえづけ)」── 外枠の選手がスタート前に内側へ強引に切り込み、1 号艇を外へ押し出す ── が当たり前だった。だから「白=必ず最内」ではなく、白が 2 コース・3 コースから出ることも珍しくなく、勝率も伸びなかった。

しかし 2010 年代以降、選手間の自主規制やスタート展示の浸透で「枠なり進入(艇番どおりに並ぶ)」が主流になった。結果、白=ほぼ確実に最内 1 コースとなり、内有利の構造がそのまま勝率に反映されるようになった。色の意味が「ただの番号」から「ほぼ確定したスタート位置」へと変わったのが、白が王様になった本当の理由だ。

白が強いのではない。
「白=最内コース」が、現代では確定したから強い。

会場で全然違う ── 白が強い場・弱い場

同じ白でも、会場(水面)によって勝率は大きく変わる。水面の広さ・風・波・海水か淡水かで、内有利の度合いがまるで違うからだ。BOATCRAFT データ(直近 2021〜2026 年)で、白(1 号艇)の 1 着率を会場別に並べると、上位と下位で 20 ポイント以上の差が出た。

白が強い場 TOP5 ─ イン天国

会場白の 1 着率水面の特徴
徳山62.2%静水で内有利が極端。全国トップのイン天国。
芦屋59.8%全国最広水面+穏やか。1 コース絶対安定。
大村58.6%「イン天国」の代名詞。日本最古の競艇場。
下関56.6%波静かなナイター場で堅い決着が多い。
尼崎55.2%淡水・静水で 1 号艇の信頼度が高い。

白が弱い場 WORST5 ─ イン受難

会場白の 1 着率水面の特徴
戸田39.8%全国最狭水面。1 マークが近く差し・まくりが決まる。
平和島41.5%海水で潮の影響大。荒れる難水面の代表格。
江戸川42.6%日本唯一の河川(中川)。風と波で大荒れ。
鳴門46.3%海水・風の影響で 1 号艇が崩れやすい。
桐生47.2%標高が高く空気が薄い=モーター出力が落ち混戦に。

同じ「白」でも、徳山(62.2%)と戸田(39.8%)では 22 ポイントも違う。徳山なら白の単勝・頭固定が機能するが、戸田・江戸川・平和島では白を頭から崩す差し・まくりが高配当を生む。色の強さは会場とセットで読む ── これが脱・初心者の第一歩だ。各場の詳しいクセは会場ガイドにまとめている。

色から買い目を読む ── 初心者の実践

色の勝率が頭に入ると、出走表を開いた瞬間にレースの「型」が見えてくる。初心者がまず使える、色ベースの 3 つの読み方を挙げておく。

— 「色=強さ」だけで買わない —
枠色別の勝率はあくまで全レースの平均。実際は選手の級別(A1〜B2)、モーターの調子、当日の風・展示タイムで上下する。白でも B 級選手 × 不良モーター × 強風なら信頼度は落ちるし、外枠でも A1 のエース機なら一発がある。色は出発点であって、答えではない。

合わせて読みたい:

— データ・参考 —

シリーズについて: 競艇カルチャーシリーズは、文化とデータの両面から競艇の魅力を伝える試みです。今後「選手の異名図鑑」「競艇場グルメ」などを予定。/ 公開: 2026-06-07

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